”若者よ”



私の生まれた街には八百屋さんとか金物屋さんとか酒屋さんとかがあった。
祖母とお店の大将は顔馴染みで(どこのお店の人たちとも)コミュニケーションが完璧に取れていて、『まいどっ』から始まり『おおきに』で終わる。
本当にこんな会話が毎日行われるのが日常な街で育った。

その街には〇〇屋さんが連なっていてお肉屋さんの並びに美容院もあれば時計屋さんもあり靴屋さんもあれば宝石屋さんもあった。

祖母は何か困ったことがあればその専門のお店にいき助けてもらっていた。
買ったというよりは、助けてもらったと言う。

お金を払っているのは祖母なのに、あー助かった。ありがとう。またお願いね。
と......

お肉が欲しかったらお肉やさんに行く、欲しい肉の種類がない。
すると店主が別のお肉で作る、晩御飯のおかずの提案をしてくれる。

すると祖母はまた一つ料理を覚えた。ありがとうね。と.....
お肉を買ったけどレシピを教えてもらった。得した得した。と......

時計屋のおじさんには、修理の待ち時間中に野球の新人選手(祖母は大の阪神ファンでした)の話を聞く。今晩のTVが楽しみだね、得したねと。

どちらがどうとかではなく、お互い様でありがとう。



INSIDE MY GLASS DOORSもこんなお店でいたい。そう思う。

『僕ぜんぜん、お洋服の知識がなくて...』
と若いお客様が言うのです。(最近数名のお客様が....)

知識なんてお洋服を着るのに要らないと思うのです。
お肉屋さんに行くのに、お肉の部位はどうやらこの牛はどこどこ産で餌は何食べていて....
この肉を切るのにはどこどこの包丁が要る。(こんな話もお肉屋さんで聞くのは確かに面白い)そんな話になるわけで....(ちょっと例えに無理もありますが)

でも、1つ言えるのが好きや興味があれば洋服やブランドや仕立てや生地の知識というのは知りたくなり、勝手に入ってくるもの。(おばあちゃんのレシピと一緒です)
で、知るともっと洋服は面白くなる。

でもお店に来るのに知識がなくても大丈夫なのです。
お肉屋さんもそうでしょ?(また例えに無理があるかもですが...)



そうやってお買い物をすると楽しいものですよ。
便利だけが先走ってしまっていますが、不便さに面白みがある様に、
きっとお肉屋さんやお魚屋さんや時計屋さんでお買い物をしていた祖母の方が物知りだった気がします。
少なくとも心は豊かだった様に思う。
そして、亡くなってしまった祖母は今だにお肉屋さんお客様のままで、お店の大将は大将のまま。
そんな街や店が好きで、この丼池通りもそんな街であり続けて欲しい。






『今日もおすすめ』
CECCHI DE ROSSIのお財布ベルト

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お財布というのはバッグに入れるものだけど、
これは、ベルトが付いている。
ウエストポーチ的に使っても良いしショルダーバッグの様にも持てる。買い物というのは何かと荷物が多くなる。お財布をバッグから出す手間も省けるし、旅行の時なども良い。フォルムはシンプルで丸くコンパクト。
ワインで染められた色味がなんとも雰囲気が良いし話のネタにもなる。ファションはコミュニケーションのツールだと誰かが言った。本当にその通りだと思う。ワインを囲んでこのバッグの話をするのも面白いよね。きっとたぶん。


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